服部彰夫氏と作品について(1)

服部彰夫氏の死去を、詰パラやネットで知った。
私が名古屋の香龍会時代は、数えきれなく度々に会っていた大先輩だった。
さらに2000年前後には、私は服部作品の検討を行っていて、修正という作図過程に直接に接した事で、大きな影響を受けた。
またその縁で、作品集「砂丘」(平成17年)の第66番から85番の解説も担当した、その作品については過去にブログ(詰将棋駒の舞(別館))でも取り上げている。

作品集「砂丘」は片仮名48文字のあぶり出し曲詰を含み、さらに半数以上の約25作が未発表作だった。
全部の中から、私が検討を行った作品を中心に、思い出を含めて語って行きたい。

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服部彰夫作「砂丘:第4番」:曲詰「片仮名:二」
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作意:43桂成・同玉・44銀・同玉・34飛・同玉・35飛・43玉・44歩・同玉・36桂・55玉・45飛・同銀・56銀・44銀・65玉・54角・64玉・46馬 まで21手
発表:詰パラ平成11/07。
後半9手は普通の曲詰だが、初手からそこまでの逆算が「所謂、服部流」と呼ばれる「力技」であり、かなりの読みを要求される。
私が初めて見た時はもう少し手数が長かったが、検討すると不完全だった。
5手目35飛以下は早期に完全と結論が出たが、そこから繰り返し修正をおこなった。
結果的には4手の逆算だけでの完成図になったが、検討者としては途中から入った44銀が成立して作意になった事は驚きだった。
44銀と35飛の2手は指しずらい手と思う、それは検討者にはうま過ぎる好手であり、たぶん成立しないだろうと思う部分だったからだ。
詰上り図
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岡田敏作「群流」:第22番「あぶり出し曲詰・キ(片仮名)」
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作意:95銀(A)・同飛・84金・同玉・95角・74玉・75金・同銀・73飛・64玉・53銀・54玉・44銀成・同香・55金・同玉・53飛成・54金合・73角成・64歩合・同馬・同銀・56歩・同銀・66竜 まで25手
(A)95金以下、同飛・84金・同玉・95角・同玉・93飛・94桂合・97竜以下余詰。
詰上り図
gunryu_022e.jpg
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第1281番は、「寄木の舞」「対称」>「対称」だ。
第1285番は、「寄木の舞」「対称」>「対称」だ。
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第1285番「寄木の舞」「対称」>「対称」
3448_1.jpg

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2025/02/16 の作意

第1281番:「寄木の舞」「対称」>「対称」
作意:62馬・54玉・46桂・同と右・66桂・同と・55歩・同と・44金・64玉・53馬 まで11手
詰上り図
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