服部彰夫氏と作品について(8)

2025/06/01に「詰将棋駒の舞(新館)」の定期更新を行った。
「2025/05月-1」の作意発表は、「詰図の舞」「あぶり出し・ギリシャ小文字・ρ(ロー)」だ。
「2025/05月-2」の作意発表は、「あぶり出し・図形」だ。
「詰図の舞」「寄木の舞」の追加登録も行った。

「2025/06月-1」は、「詰図の舞」「あぶり出し・ギリシャ小文字・σ(シグマ)」だ。
「2025/06月-2」は、「詰図の舞」「あぶり出し・片仮名」だ。

-------------
「ギリシャ小文字・ρ(ロー)」は、ギリシャ文字の中では馴染みがある字だ。
「p」「P」とかと区別するデザインにする必要がある。

「2025/05月-2」は、立体曲詰に出来なかったので、あぶり出しとして逆算した。

-----------------
服部氏は作品集2冊「砂丘」「古武士の詩」を出版している、作家歴は昭和25年からで相当に長く、早くから実力者として知られていたが、決して多作ではなかった。
作風と発表ジャンルと手数的にも多作には向いていないと思われる、さらに中編等の発表作にも不完全作が相当数は有ったようだ。
現在のコンピュータ検討が可能になる以前は、検討の時間が長く、さらにきずくまでの作図時間には結果的に無駄になる事も多かった。
詰将棋に使える時間には限度があり、検討と修正に必要な時間が多い作風の人は多作にはなりえなかったと言える。
昔は不完全作は作意を掲載せずに修正しての再発表を認める方式だった、修正しての再発表がされなかった作品は、作意不明の不完全作となってしまう事も多かったと思う。(不完全作では、コンピュータ解図では作意が判らない事も多い)

-----
服部彰夫作「砂丘:第74番」:
asakyu_074.jpg
作意:13歩成(A)・同歩・22桂成・同玉・14桂・同歩・34桂・23玉・43飛成・同角・33飛・12玉・13飛成・同玉・31角・23玉・22角成 まで17手
(A)22桂成の手順前後は、14玉・16飛・15香合・23角・13玉・15飛・22玉で不詰。
平成10年04月詰パラ。

本作は私の好きな作品であり評価も高い、服部氏も自信作だった言っていた。
「砂丘:第74番」は私の解説であり、その思いを思いっきり書いている。
だが、私は解説は不慣れであり作品集の解説としては、適切ではなかったと後に反省している。
詰パラ・平成10年04月の結果で、首位は看寿賞受賞作の谷口均作で本作は2位だった。
そして谷口作は半期賞から看寿賞の受賞と進んで行った。
砂丘の私の解説では、評価得点でも大接戦だと読めるが、実際は少し違う。
谷口作:誤解9・無解24・A62・B3・C1>平均2.92。
服部作:誤解11・無解22・A52・B14・C0>平均2.78。
当時の首位作の平均は2.6台なので、双方とも充分に高い事は間違いないが得点には差はある。
さらに当時は既に誤解・無解は計算に入れなかったのでそれが多い作は印象とずれが起きる、既に2.9超えの谷口作は誤解・無解をA扱いしてもほとんど変わらないが、服部作はかなり平均は上がる。
結局は、私は本作は谷口均作と同様に受賞級の好作・傑作だと言いたかっただけなのだが、私の砂丘の解説は伝え方がおかしかった。
後日に全国大会で私と服部氏が本作について話していると、谷口氏が来て「発表号を見て、服部作が首位と思った」意味の事を言った事を憶えている(先輩に対して、その作品が好作と思ったと伝える意味だろう)。
紛れ(A)が誤解が多かった理由と思う、結果発表時には担当者は(A)を記載して「並みの月なら断トツの内容。」と判り易く書いている。
私の砂丘の解説では、スペースが充分にあったのに手順前後の紛れ(A)を省いてしまっている、さらに作品内容以外の上記の状況を長々と書いている、繰り返すが作品集の解説としては適切ではなかった。
だが好作・傑作だ。

-----------------
岡田敏作「群流」:第36番「あぶり出し曲詰・キ(片仮名)」
gunryu_036.jpg
作意:77桂・66玉・58桂・56玉・76竜・同角不成・67金・同角不成・65馬・同桂・57歩・同桂・45銀・同香・65銀 まで15手
詰上り図
gunryu_036e.jpg
*****************
第1295番は、「詰図の舞」「図形・小ダイヤ(57玉・重心57)」だ。
第1299番は、「詰図の舞」「図形・小ダイヤ(59玉・重心57)」だ。
****************
第1299番「詰図の舞」「図形・小ダイヤ(59玉・重心57)」
3418_1.jpg

-----------------
2025/05/11 の作意

第1295番:「詰図の舞」「図形・小ダイヤ(57玉・重心57)」
作意:47金・同玉・37金・57玉・58飛・同玉・59金・57玉・77飛・同香成・56金・同玉・55と・同桂・48桂・同馬・83馬・57玉・84馬・56玉・74馬・57玉・75馬・56玉・65馬・57玉・66馬 まで27手
詰上り図
3415_1e.jpg

この記事へのコメント